被害はなかったのでご安心を。
出来事は急きょ休暇を取ったところから…
数年前に行ったラオスでのできごとを綴ります。
私が海外駐在していたころ、急遽休暇をとることになりました。
休暇は何か月に一度と決まっているのですが、たまたま仕事の空きができたので、休みを取りなさいとのことでした。
もちろん休暇を頂くのは喜ばしいことなんですが、海外駐在にとって二週間前に休みを取れといわれてもなかなか日本での予定が立てられません。
かろうじて数日分は友人と約束できましたが、地元に帰ったりはせず、残りはラオスへ旅行に行くことにしました。
ちょうどその時期は私の誕生日付近でした。。。
使用した航空会社はベトナム航空。
今でこそベトナム大好きですが、たまたま一番安かったので。
初めてホーチミンを訪れたのはこの時でしたが、その時はあまり楽しめず、後日ホーチミンを大好きになるのですが。
ラオスでは4泊か5泊ほどしたと思います。
急きょ決めたので、首都のヴィエンチャンのみ。本当はルアンパバーンも行きたかったな。
ヴィエンチャンでは、もちろんヴィエンチャン周辺も見て回りましたが、原付を借りて郊外へも出ました。
少し走るとすぐに田舎の風景になり、だっだっぴろい畑が広がっており、また空もものすごく澄んでいる青空でとても開放的でした。
原付で数時間の、有名なブッダパークにも行きました。
あのコンクリートでブッダ像が作られているところです。笑
コンクリートで見世物にするなんて、冒涜している気がしますね。案の定がらがらでとても空いていたと思います。
その足でタイとの友好橋まで行きました。
タイ政府の援助で作られたその橋は、東南アジアの経済大国タイからの恩恵を受け、ラオスはかなり潤ったそうです。
二人のアジア人女性との出会い
そんなある日のこと。
日中は観光に出ており、ヴィエンチャンの道を歩いてホテルに帰ろうとしていた時のことです。
ホテル近くに着いた時に、とある30代くらいのアジア人女性二人組に話かけられました。
「あなたのTシャツ可愛いわね」
その時はユニクロで買ったディズニーのTシャツでした。
女性受けがいいんかなと思いました。
さらに、どこでかったの?等聞いて来るので、そのTシャツをプレゼントすることにしました。
値段は1500円程度ですし、もう何度か着ていましたし。
一応洗ってから後日渡すといったんですが、そのままでいいとのことで、ホテルで着替えて袋に入れて持って行ってあげました。
そしてその女性が何か御礼がしたいとのことで、一緒に飲みに行くことになりました。
Tシャツをあげたほうの女性の家でラオパーティ(ラオス流の飲み会?)をしようということになり、ビールを買い込みそのお宅に行くことになりました。
これで家に行ってしまったのが不運の始まりでした。
家は、女性のいとこだか何だかの家だそうで、いとこの男性は不在でした。
なんでもそのいとこ男性の子供が生まれそうとのことで、病院に行っているそうでした。
家には家政婦のような女性が一人おり、女性二人とビールを飲みながら待つことにしました。
しばらくするといとこ男性は帰ってきて、僕を歓迎してくれました。
この時点で子供が生まれたとかは忘れました。
家政婦らしき人が作ったであろう料理をふるまってくれて、ビールも飲んで、この時点では結構楽しかったです。
いろいろと話もしました。
お互いの家族の話や仕事の話。いとこ男性はカジノのディーラーを以前やっていて、いまはカジノのソフトを作る会社で働いていました。
話は怪しい方向に
しかし前の会社が、私の駐在していた国の近くにカジノをオープンさせるとのことで、またディーラーとして働こうとしているとのことでいた。(この時点で怪しくなってきます)
そこでいとこ男性は提案します。
いとこ男性(ディーラー)と組んでいかさまを働き、おまえ(僕)を勝たせるから、分け前を半分こしようと。
さらにいかさまのやり方を教えてくれるとのことで、別室に移動しトランプの練習をします。
こういうサインを出したら、こういうことだから、乗ってきてはダメ。
このサインはOKだから、必ず乗ってくるように。
この別室はかなりカジノっぽい作りになってて、初めは素人にしてみれば、すごい!カジノ気分を友人の家で楽しめる!と思うんです。
もともと出会った30代女性も、え!あの部屋を使っていいの?わーい。みたいになってテンションが高いんです。
そしていとこ男性はちょくちょく伏線をいれてきます。
「数日前にブルネイのお金持ちとここでプライベートでトランプをして買ったんだよ」
この話がいろんな話題の間に二、三回間隔を空けてささやかれます。
最後のほうは、
「あのブルネイの金持ちがリベンジしに来るかもしれない」
「今電話があって、カジノをやりたいみたいなんだけど人が集まるか聞かれている。君もやらない?」
いよいよ怪しくなってきました。
もうこの時点で僕は気づいていました。トランプ詐欺だと。
僕はそういう話になったときは、
「僕は絶対に賭けはしない!」
「他人が来るなら今すぐやめて帰るから」
ときっぱり、はっきりと言っていました。
本当は今すぐに帰りたいですが、向こうを刺激したくありません。
ついにブルネイ人と対決か!被害額は。。。
そんなやり取りをしているときに、事は起こりました。
ピーン、ポーン
来客です。
なんとお金持ちで、数日前に賭けで負けたブルネイ人がやってきてしまいました。
タイミングは僕が賭けをしないよと言っているタイミングでした。
そしてディーラーであるいとこ男性は、すこし焦り気味でブルネイ人を玄関に迎えに行き、部屋に連れてきました。
僕はブルネイ人にはっきりと言いました。
「すいませんが、賭けをする気はないんです。」
ブルネイ人は、話が違うじゃないか。という顔をしていとこ男性と話し込み、何やら現地語っぽい言葉で揉めていました。
僕が想像するに、
いとこ男性「来るのが早すぎるんだよ!まだカモ(僕)を説得しているのに!!!」
金持ちブルネイ人「いつもより遅いじゃないか! これでも合図を待っていたんだぞ!!的な」
※あくまで想像です
ここで無理に賭けをさせてもしかたないと踏んだのか、とりあえずブルネイ人は帰りました。
いとこ男性は僕にクレームを言っていましたが、そんなことは知りません。
僕も帰ることにしましたが、いとこ男性は最後までがめついことを言ってきました。
封筒を渡されて、
いとこ男性「ラオスでは子供が生まれるときに祝福するんだ。君も気持ちだけでいいから祝福してくれ」
・・・・・つまり、彼は、現金を要求しています。
しかしその時は穏便に帰りたかったので、あまり現地通貨無いから、日本のお金を入れておくねと言って1000円札を寄付しました。
被害額(寄付) 日本円1,000円
いやー、大した被害にならなくてよかったです。
でも誕生日にトランプ詐欺未遂に合うなんて、かなり迷惑ですけど。
結局、家政婦のような人はいとこ男性(役)の本当の奥さんだったんではないかと今になって思います。
みなさんも海外では知らない人についていかないようにしましょう。